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ヨーグルトや牛乳を適度に摂取することは、がんに関連した死亡を減らし、長生きに関係する可能性がある - 山形県コホート研究(Yamagata Study)から -2021/10/08 【研究成果】


以下の研究成果はBMC Nutrition誌(2021年7月14日付)に掲載されました。

研究名:山形県地域住民におけるヨーグルト・牛乳の摂取頻度と生命予後との関連
著 者:山形大学医学部 医学科5年 中西晃子・本間恵里花

 ヨーグルトと牛乳などの乳製品には様々な栄養が含まれており、ヨーグルトには腸内環境を整える乳酸菌も含まれていることは広く知られています。
 今回、私たちは山形県コホート研究のアンケート調査票14,264人分のデータを用いて、ヨーグルトと牛乳の摂取頻度と総死亡(注1) 、がんに関連した死亡、心血管病による死亡との関連を検討しました。
 山形県民におけるヨーグルトの摂取頻度は、非摂取(月に1回未満)20%、低頻度(月に1~3回)18%、中頻度(週に1~6回)38%、高頻度(1日1回以上)24%でした。牛乳の摂取頻度は、非摂取19%、低頻度12%、中頻度37%、高頻度32%でした。ヨーグルトや牛乳の摂取頻度は、高齢者では多く、男性や飲酒喫煙のある人では少ない傾向でした。
 9年の追跡期間における死亡との関連について調査したところ、総死亡のリスクは、ヨーグルトを月に1回以上食べている人が、非摂取の人と比べて低下しており、牛乳では低~中頻度の人が非摂取の人と比べて低下していました。死亡原因別にみると、がん関連死亡のリスクが、ヨーグルトを週に1回以上食べている人と牛乳の摂取頻度が中頻度の人では、非摂取の人と比べて、中頻度の人は低下していましたが、高頻度では低下していませんでした。 一方、心血管病による死亡のリスクは、ヨーグルトや牛乳の摂取頻度とは関連がありませんでした。
 今回の結果から、山形県民において、ヨーグルトや牛乳を適度に摂取することは、がんに関連した死亡を減らし、長生きに関係する可能性が示されました。
(注1)総死亡とは... 死亡原因に関わらない死亡のこと

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 論文情報 

Association between milk and yogurt intake and mortality: a community-based cohort study (Yamagata study),Akiko Nakanishi, Erika Homma, Tsukasa Osaki, Ri Sho, Masayoshi Souri, Hidenori Sato, Masafumi Watanabe, Kenichi Ishizawa, Yoshiyuki Ueno, Takamasa Kayama, Tsuneo Konta,PMID: 34256873 PMCID: PMC8278744 DOI: 10.1186/s40795-021-00435-1