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【プレスリリース】同種反応性T細胞は造血細胞移植後の急性腎障害に関与する2023/12/04 【研究成果】


研究成果について、プレスリリースしました。

【研究成果の概要】

 造血細胞移植は白血病などの血液疾患の根治を目的とした治療ですが、治療の合併症として急性腎障害(AKI)がしばしば起こります。薬剤や感染症などの様々な要素が原因と想定されていますが、詳細には解明されていません。この研究では、ドナーの免疫細胞(特にTリンパ球)がレシピエントを攻撃する疾患である移植片対宿主病(GVHD)とAKIの関連に注目しました。
 同種ドナーから骨髄移植を受けたマウスでは、腎臓にドナー由来のTリンパ球が多く浸潤しており、これらのTリンパ球には活性化の指標となる分子が発現していることを見出しました。また、腎臓に浸潤したドナーTリンパ球は炎症を増幅させる物質であるサイトカインを産生する能力を有していることが分かりました。さらに、マウスの腎臓由来の培養細胞を、異なる系のマウスのTリンパ球と共培養すると、腎細胞の細胞死が誘導されることも確認しました。これらの結果から、同種ドナー由来のTリンパ球がレシピエントの腎臓を傷害していること、すなわちGVHDが造血細胞移植後のAKIに寄与していることが考えられます。

 論文情報 

【掲載学術誌】Blood advances. 2023;7: 6936-6948.

【論文タイトル】Allogeneic T cells cause acute renal injury after hematopoietic cell transplantation

【著者】
宮田匡大1)、松木絵理1)、市川一誠1)、竹原知宏1)、細川由佳2)、関口恵理華3)、Daniel Peltier4)、Pavan Reddy5)、石澤賢一2)、渡辺昌文)1、東梅友美2)
【所属】
1) 山形大学医学部内科学第一講座
2) 山形大学医学部内科学第三講座
3) 慶應義塾大学病院
4) インディアナ大学医学部
5) ベイラー医科大学 Dan L Duncan 総合がんセンター

プレスリリース全文(PDF)