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石川恵生講師の論文が『Scientific Reports』に掲載されました2022/12/15 【研究成果】


 歯科口腔・形成外科学講座の石川恵生講師が筆頭著者となった山形県コホート研究に関する論文が国際的学術雑誌である『Scientific Reports』に受理されました。本論文は、山形県コホート研究にご参加いただいた6739人を対象として、主観的健康感に影響する因子を、歯数と咬合力という観点から調査した研究報告です。
 主観的健康感は、「あなたの健康状態はいかがでしたか?」という簡単な質問で評価できるだけでなく、主観的健康感が高い人は、主観的健康感が低い人と比較し、生命予後が良好であるという疫学研究も多く報告されています。そのため日本のみならず多くの先進諸国で広く活用されている健康指標の一つです。主観的健康感に影響を与える因子についての疫学研究は多いですが、歯数と咬合力の組合せが主観的健康感にどのような影響を与えるかについての報告はほとんどありませんでした。
 今回の研究結果では、歯数が少なくてもしっかり咬める人の主観的健康感は、歯数が多くてしっかり咬める人と差がありませんでした。また歯数が少なくて咬めないと主観的健康感が下がっていきました。
 何歳になっても歯を失うことなくしっかり咬めるのが理想ですが、もし歯を失っても治療して咬めるようになれば主観的健康感が改善する可能性が示唆されました。

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