お知らせ

山形市で「すこやか教室」を開催
転倒を予防しよう!~転倒・骨折で寝たきりにならないために~ をテーマに解説2024/10/02 【お知らせ】


講座の様子

 9月26日(木)、山形市金井コミュニティーセンターで『すこやか教室』を開催しました。
 今回は、「転倒を予防しよう!~転倒・骨折で寝たきりにならないために~」と題し、山形大学医学部附属病院リハビリテーション部 理学療法士の濱田美香さん、今田和希さんのお二人が講師を務めました。

 はじめに、転倒について解説が行われました。65歳以上の高齢者の3人に1人が1年間に1回以上転倒すると言われており、転倒した人のうち5%に骨折が認められていると述べられました。また、前期高齢者では手首・肩の骨折が多く、後期高齢者では背骨や股関節の骨折が多くなり、この差は「反応の遅れ」、すなわち転びそうになった際に反射的に手を出せるかどうかによって生じるとのお話がありました。転倒を引き起こす要因については、バランス能力や筋力の低下だけではなく、認知・視覚・聴覚機能・薬剤や環境の影響など様々な要因によって転倒が引き起こされることが説明されました。

 続いて、腿上げ・かかと上げ・片足立ちなど、転倒予防トレーニングを参加者とともに行いました。また、転倒予防には頭と身体を動かす運動も重要だということで、頭をつかう認知課題(コグニション)と体をつかう運動課題(エクササイズ)をかけ合わせた、頭と体をつかう複合課題(コグニサイズ)について、実演を交えながら紹介され、参加者も体を動かして実践しました。

 最後に、運動と栄養に関して、高齢期ではタンパク質を豊富に含む食材(魚・肉・卵など)の摂取が重要であるが、野菜、海藻、果物など様々な食品をバランスよく摂取することも大切であるとのお話がありました。また、転倒には室内の環境も影響するとして、コードの配線は歩く動線を避ける、めくれやすいカーペットの下には滑り止めを敷く、床には物を置かないなど、整理整頓を心がけましょうとのアドバイスがありました。

 講義だけでなく、参加者みんなで声を出し、体を動かす実演を交えたすこやか教室となり、一体感あふれる充実した講座となりました。

◆すこやか教室とは・・・ 「山形県コホート研究」の成果の還元と県民の健康増進を図る目的で2007年にスタートした山形大学医学部の出前講座です。研究に協力している自治体(山形市、酒田市、寒河江市、東根市、天童市、上山市、米沢市、高畠町、舟形町)からテーマを募り、山形大学医学部の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士が講演や実技指導を行っています。

講師を務めた今田理学療法士
講師を務めた濱田理学療法士
実演を交えた転倒予防トレーニングを参加者全員で行いました。