上山市で「すこやか教室」を開催
高齢者の口腔ケア をテーマに解説2024/08/09 【お知らせ】
8月7日(水)、上山市中部地区公民館で『すこやか教室』を開催しました。
今回は、「高齢者の口腔ケア」と題し、山形大学医学部附属病院歯科口腔外科講師の石川恵生先生が講演を行いました。
はじめに、肺炎で亡くなる方の多くが65歳以上の高齢者であるという事例を基に、口腔ケアで肺炎を減らすことができる可能性があると述べられました。口腔ケアとは、「口をきれいにしたり、口のマッサージや口のリハビリをして全身を健康に保つこと」であり、口腔ケアの有効性の研究により、歯があってもなくても口腔ケアで肺炎を減らせるということがわかっており、歯がある・歯がないに関わらず口腔ケアは重要であると説明がありました。
また、手術や抗がん剤の治療が決まった時は、①歯が折れたり、取れたりするのを防ぐ、②近くの傷(場所)にばい菌が入るのを防ぐ、③遠く離れた傷(場所)にばい菌が入るのを防ぐ、④手術後にしっかり栄養を取れる準備をする、⑤口内炎予防といった理由により、歯医者に行ってほしいと述べられました。
さらに、骨粗しょう症の治療を受ける時も歯医者に行った方が良いとのお話もありました。骨粗しょう症の薬は、骨を元気にする薬だが、ある種類の骨粗しょう症の薬は顎の骨を腐らせる(薬剤関連顎骨壊死)ことがあるため、治療が始まる前に歯医者でチェックしてもらうのが理想的であるとの説明がありました。
その後、歯・口腔の観点を踏まえた山形コホート研究に関する情報提供も行われ、痛くなったら、症状がひどくなったら歯医者に行くのではなく、口の状態は健康に直結することを意識して生活してほしいと会場に呼びかけていました。
講演後は、多くの参加者から質問があり、活発な質疑応答が行われました。
◆すこやか教室とは・・・ 「山形県コホート研究」の成果の還元と県民の健康増進を図る目的で2007年にスタートした山形大学医学部の出前講座です。研究に協力している自治体(山形市、酒田市、寒河江市、東根市、天童市、上山市、米沢市、高畠町、舟形町)からテーマを募り、山形大学医学部の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士が講演や実技指導を行っています。
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