お知らせ

生活習慣病と栄養不足を防ぐ高齢期におすすめの食生活 をテーマに講演2023/11/16 【お知らせ】


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講師を務めた管理栄養士の渡辺さん


 10月25日、今年10回目のすこやか教室を、上山市中部公民館で開催しました。
 今回は、「生活習慣病と栄養不足を防ぐ高齢期におすすめの食生活」と題し、本院栄養管理部管理栄養士の渡辺真理さんが講演しました。

 今回は事前に主催側で参加者からアンケートを実施し、日ごろの食生活への不安や今回の講座で知りたい事などを回答いただきました。
 血糖値や血圧についての悩みが多かったことから、本講座では血圧の管理や食生活の改善について取り上げました。
 最初に、高齢期にありがちな食生活について、栄養バランスが崩れた内容が続くことで、生活習慣病リスクが増大していくことを説明しました。また、過剰な栄養だけでなく、低栄養でも動脈硬化につながることから、太り過ぎず、やせ過ぎないバランスをとることが大切だと強調しました。そして、動脈硬化を防ぐ食生活改善ポイントとして、①1日3食バランスよく②おやつはほどほどに③塩分は控えめに、の3点をあげました。
 献立例について、主食・主菜・副菜について、それぞれの適量や摂り入れ方、常備しておくと便利な食品を紹介し、参加者の料理をするしないにかかわらず、普段の食事に取り入れやすいアドバイスがありました。また、具体的な調理例の写真を上げ、塩分量やカリウム量を数値として提示し、献立の選び方や工夫について紹介しました。
 2つめのポイントであるおやつに関しても、具体的な例を上げ、血糖値に影響しにくいおやつの提案がありました。
 3つめの塩分について、本県は高血圧につながりやすい塩分が多い食品(麺類)の摂取が他県と比べて多い傾向であることを指摘しました。塩分を控えることで、高血圧、むくみ、口喝や夜間頻尿の改善や脳・血管疾患の予防につながることを説明しました。

 今まで行った栄養指導の経験に基づいた具体的なアドバイスの詰まった内容で講座が展開され、渡辺さんは「今が大丈夫でも、5年後や10年後が大丈夫とは限りません。数年後を見据えた食事療法が必要です。健やかな老後が過ごせる未来のために、今できることから始めましょう。」とまとめました。

◆すこやか教室とは・・・
「山形県コホート研究」の成果の還元と県民の健康増進を図る目的で2007年にスタートした山形大学医学部の出前講座です。研究に協力している自治体(山形市、酒田市、寒河江市、東根市、天童市、上山市、米沢市、高畠町、舟形町)からテーマを募り、山形大学医学部の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士が講演や実技指導を行っています。

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講座の様子
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調理例を写真でご紹介しました
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質疑応答もたくさんいただきました