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【プレスリリース】低リスク女性の表在型食道扁平上皮癌の遺伝子変化の同定2021/11/25 【研究成果】


研究成果について、プレスリリースしました。

【本件のポイント】
〇食道扁平上皮癌は男性で飲酒や喫煙をされている方によくみられます。しかし、飲酒も喫煙もされない女性でも食道扁平上皮癌はみられ、この発生機序はよく分かっていません。
〇今回、この飲酒や喫煙といったリスクのない女性の食道扁平上皮癌の発生機序にCDKN2A遺伝子(注1)の変化が重要な要因であることを発見しました。
〇さらにCDKN2A遺伝子から作られるp14ARF(注2)という蛋白が低リスク女性の非癌部の食道粘膜および食道扁平上皮癌で過剰発現していました。
〇この食道扁平上皮癌の新しい発癌経路の解明は、個々人のリスクに応じた早期発見マーカーや新しい治療標的を創出する重要な糸口になることが期待されます。

(注1)CDKN2A遺伝子:cyclin-dependent kinase inhibitor 2A。CDKN2A遺伝子は9p21の位置する遺伝子で、選択的スプライシングにより細胞周期制御に関与するp16INK4Aとp14ARFの2つのタンパクを生成する。
(注2)p14ARF:p14 alternate reading frame。

 論文情報 

掲載誌:Scientific Reports 11, 20150 (2021)
論文タイトル:Novel genomic alteration in superficial esophageal squamous cell neoplasias in non-smoker non-drinker females
著書:Yusuke Onozato, Yu Sasaki, Yasuhiko Abe, Hidenori Sato, Makoto Yagi, Naoko Mizumoto, Takashi Kon, Takayuki Sakai, Minami Ito, Matsuki Umehara, Ayumi Koseki, Yoshiyuki Ueno
DOI:10.1038/s41598-021-99790-z

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