【プレスリリース】「身体活動は"多ければ健康によい"とは限らない?」
「余暇活動」と「余暇以外の活動」でストレスとの関連に違い2026/07/28 【研究成果】
研究成果について、プレスリリースしました。
本研究成果が、英国ネイチャー出版グループの「Scientific Reports」電子版に掲載されました。
【研究成果の概要】
山形大学Well-Being研究所を中心とした研究グループは、40-74歳の山形県コホート研究参加者15,688名を対象に、日常場面別の身体活動量※1と自覚的な高ストレスとの量反応関係※2を解析しました。
その結果、ウォーキングや体操、スポーツなどの「余暇の身体活動」は、男女とも、わずかな実践であっても低ストレスと関連することが明らかとなりました。
一方、仕事や家事などの「余暇以外の身体活動」には、男女で異なる特徴がみられました。男性では、中程度までの活動量では低ストレスとの関連が認められたものの、活動量が高い場合には、高ストレスを抱える人が多い傾向に転じました。これに対し女性では、活動量が多いほど、高ストレスを抱える人が多い傾向が認められました。
これまで、「身体活動量が多いほど健康によい」ことが多くの研究で報告されてきましたが、近年、「仕事などで多く体を動かしていても、必ずしも健康によいとは限らない」という"身体活動パラドックス"※3が注目されています。本研究は、この現象がメンタルヘルスやストレスにも当てはまる可能性を示しました。仕事や家事で日常的に体をよく動かしている人であっても、短時間でも「余暇の身体活動」を取り入れることの重要性が示唆されました。
※1 日常場面別の身体活動量:日常生活の中で身体を動かす量。運動・スポーツだけでなく、仕事や家事、移動なども含む。
※2 量反応関係:量に応じて結果が変化する関係。たとえば、「多いほど効果が大きい」「少ないほど効果が小さい」など。
※3 身体活動パラドックス:仕事などで身体を多く動かしていても、必ずしも健康によいとは限らない現象。
【本研究のポイント】
・山形県民約1万5千人を対象に、日常場面別の身体活動量と自覚的ストレスとの関連を解析。
・"身体活動量は多ければよい"とは限らず、"どのような場面での身体活動か"によってストレスとの関連が異なることを指摘。
・趣味や運動などの「余暇の身体活動」は、わずかな実践でも低ストレスと関連。
・一方、仕事や家事などの「非余暇の身体活動」は、男女で異なる関連。
→男性:中程度までは低ストレスと関連するが、高活動量では高ストレス傾向。
→女性:活動量が多いほど、高ストレスを抱える人が多い傾向。
・近年注目される「身体活動パラドックス」が、ストレスにも当てはまる可能性を示唆。
論文情報
【論文タイトル】
Differential dose-response associations of leisure-time and non-leisure-time physical activity with perceived stress in middle-aged and older adults
【論文著者】
清野 諭1), 阿部 巧2), 野藤 悠3), 今田 恒夫1)4)
【所属】
1)山形大学 Well-Being研究所
2)明治大学商学部
3)東京都健康長寿医療センター研究所
4)山形大学医学部公衆衛生学・衛生学講座
【雑誌名】
Scientific Reports
DOI: 10.1038/s41598-026-52997-4
Well-Being研究所ホームページ
