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【プレスリリース】「慣性計測装置(IMU)センサーとAIにより、ICUに 関連する"危険な不穏動作"を検出する概念実証に成功」2026/02/03 【研究成果】


研究成果について、プレスリリースしました。

本研究成果が国際誌『Bioengineering(MDPI)』に掲載されました。

【研究成果の概要】
 山形大学医学部救急医学講座を中心とする研究チームは、慣性計測装置(IMU)センサーを人体の複数部位に装着して取得した身体行動データをもとに、ICUで問題となる不穏や自己抜去(胃管、点滴、カテーテル等)につながりうる動作(agitation-related movements)をAIで自動検出するシステムの概念実証(Proof-of-Concept)に成功しました。
 ICUでは、鎮静レベルの変動やせん妄、重症疾患などを背景に不穏な動作が生じ、医療デバイスの自己抜去、治療中断、転倒、皮膚損傷などの有害事象につながることがあります。一方で、これらのリスクを常時ベッドサイドで目視監視することは難しく、患者の状態評価は既存のスコアリングや医療スタッフの観察に依存しやすいという課題がありました。
 本研究では、IMUセンサーから得られる加速度・角速度等の時系列信号を入力とし、深層学習(例:CNN)を用いて、あらかじめ定義した動作カテゴリの識別を行いました。その結果、患者安全に直結し得ると想定した動作を連続データから抽出できる可能性が示され、将来的なICUでの安全管理・危険行動防止支援(早期アラート、記録の客観化、スタッフ負担軽減)への応用が期待されます。
 本成果は、医学部と工学部が共同する医工連携研究として、「ウェアラブルセンサー×AI×ICU」による安全管理の新しいアプローチとして、今後、臨床現場での検証や、より現実的な環境条件(体位変換、拘束、医療デバイス装着、センサーずれ等)を含めた性能評価に発展させる計画です。



 論文情報 

【論文タイトル】
Proof-of-Concept of IMU-Based Detection of ICU-Relevant Agitation Motion Patterns in Healthy Volunteers

【論文著者】
Ryuto Yokoyama1), Tatsuya Hayasaka2), Tomochika Harada3), Si'ao Huang3), Kenya Yarimizu2), Michio Yokoyama3), Kaneyuki Kawamae4)

【所属】
1)山形大学医学部 救急医学講座
2)山形大学医学部 麻酔科学講座
3)山形大学大学院 理工学研究科
4)太田西ノ内病院

【雑誌名】
Bioengineering(MDPI)
DOI: 10.3390/bioengineering13020164

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