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【プレスリリース】「ビタミンC不足が肺線維症と呼吸不全を 急速に進行させる仕組みを解明」2026/01/06 【研究成果】


研究成果について、プレスリリースしました。

本研究成果が『Redox Biology』に掲載されました。

【研究成果の概要】
 山形大学大学院医学系研究科の研究チームは、ビタミンC(アスコルビン酸)不足が強い酸化ストレスと代謝異常を引き起こし、急速に肺線維症と呼吸不全を誘導する原因となる分子メカニズムを解明しました。研究成果は国際誌 Redox Biology(2025年9月)に掲載されました。
 本研究では、体内でビタミンCをつくる能力が野生型の約10%に低下したマウスに、さらに酸化ストレス防御酵素SOD1を欠損させたモデルを用いました。
 ビタミンCを飲水から補給している間は健康に生活しますが、補給を止めると状況は急変し、わずか2週間で肺細胞の広範な死と線維化が進行し、呼吸不全により死に至ります。

 詳しい解析により、ビタミンC不足が
  • 強い酸化ストレスの増大
  • 壊れたタンパク質を処理するための代謝異常
  • 線維化を促すポリアミンの過剰生成
といった連鎖的な変化を引き起こすことが判明しました。
 これらが「ビタミンC不足 → 酸化ストレス → 代謝の破綻 → 肺線維症」へとつながる悪循環メカニズムを形成していると考えられます。
 本成果は、酸化ストレス関連の肺疾患や線維化疾患の理解、新規治療法の開発に寄与することが期待されます。

 論文情報 

【論文タイトル】
Ascorbic acid deficiency promotes metabolic remodeling and pulmonary fibrosis that leads to respiratory failure in Sod1 and Akr1a double-knockout mice

【論文著者】
Tsukasa Osaki1, Takujiro Homma1, Yuya Soma1,2, Satoshi Miyata3, Yumi Matsuda2, Junichi Fujii1

【所属】
1. 山形大学大学院 医学系研究科 生化学・分子生物学講座
2. 山形大学医学部 看護学科 地域看護学講座
3. 宮田クリニック 糖尿病・代謝内科

【雑誌名】
Redox Biology
Doi:10.1016/j.redox.2025.103749

論文はこちら(PDF)


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