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【プレスリリース】「ビタミンCがNASH(非アルコール性脂肪肝炎)由来の肝がん発症を強力に抑制 ─ 生理的量で前がん細胞のみを選択的に死滅 ─」2026/01/06 【研究成果】


研究成果について、プレスリリースしました。

本研究成果がScientific Reportsに掲載されました。

【研究成果の概要】
 山形大学・名古屋大学・九州大学・大阪公立大学の研究グループは、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が肝がんへ進展する過程を再現したマウスモデルを用いて、ビタミンC(アスコルビン酸)が肝がん発症を大幅に抑制することを明らかにしました。本成果は Scientific Reportsに掲載されました。
 酸化ストレス防御因子 SOD1 と小胞体ストレス制御因子 PRDX4 を欠損させた「Sod1/Prdx4 二重欠損マウス(DKO)」は、加齢とともに NASH を発症し、約 1 年で高率に肝がんに進行します。
 研究チームはこの DKO マウスに 生理的濃度のビタミンC(1.5 mg/mL)を飲水投与したところ、肝腫瘍の発生がほぼ完全に抑制され、寿命も延長することを見いだしました。

主な結果のポイント:
  • ビタミンCが腫瘍発生を大幅に抑制
  • DKO マウスが1年以内に発症する肝腫瘍が、ビタミンC投与によりほぼ消失。
  • 前がん段階に特徴的なアミノ酸代謝の暴走を抑制
  • 腫瘍化に必要な代謝活性が大幅に低下。
  • 鉄依存性細胞死 (フェロトーシス) が前がん細胞で亢進
  • 自由鉄が多い前がん細胞は、ビタミンC存在下で活性酸素種 (ROS) により選択的に死滅。
  • 正常肝細胞は保護される"二重の作用"を確認
  • ビタミンCの抗酸化作用が正常組織を守りつつ、異常細胞のみを排除。

 本研究は、ビタミンCが NASH に伴う肝がん発症を生理的濃度で強力に抑える可能性を示すもので、生活習慣病関連の肝がん予防に重要な手がかりとなります。

 論文情報 

【論文タイトル】
L-ascorbate prevents non-alcoholic steatohepatitis-based hepatocarcinogenesis in Sod1/Prdx4 double-knockout mice

【論文著者】
Tsukasa Osaki1, Takujiro Homma1, Yuki Maeda2, Ken-ichi Yamada3, Chikako Yokoyama4, Shinya Toyokuni2,5 and Junichi Fujii1

【所属】
1. 山形大学大学院 医学系研究科 生化学・分子生物学講座
2. 名古屋大学大学院 医学系研究科 病理病態学講座
3. 九州大学大学院 薬学研究院 分子病態解析学講座
4. 大阪公立大学大学院 工学研究科 物質化学生命系専攻
5. 名古屋大学 低温プラズマ科学研究センター

【雑誌名】
Scientific Reports
Doi:10.1038/s41598-025-28982-8

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