山形市で「すこやか教室」を開催 目の健康寿命について解説2025/06/30 【お知らせ】

6月25日(水)山形市江南公民館において「すこやか教室」を開催いたしました。
今回は「目の健康寿命をのばそう「アイフレイル」について」をテーマに、山形大学医学部眼科学講座教授の杦本昌彦先生が講師を務めました。
身近な話題を交え、日常生活における視力の大切さのお話から、視力低下や失明の大きな原因となっている緑内障と糖尿病網膜症についての解説がありました。
緑内障について
眼圧の上昇により、視神経が痛んでくることで視野が狭くなる病気であり、40代で5%、60代で10%の人が緑内障になっています。一度失ってしまった視野は元に戻すことはできないため、早期発見と早期治療が重要であり、定期的な検診や通院が大切です。
緑内障の治療には目薬の点眼や手術があり、目薬も患者さん一人一人に合わせ、選択肢がたくさんあります。
糖尿病網膜症について
糖尿病は血糖値が上昇する病気であり、糖が血管に付着し血流が滞る状態が発生します。目の網膜にある毛細血管も詰まることで、出血の増加や目の細胞に栄養が届きにくくなり、視力の低下などにつながります。
糖尿病網膜症の治療にはレーザー光線治療や手術による硝子体洗浄などがありますが、元通りの視力回復は難しいことから、こちらも早期発見と早期治療が重要です。
また、高血圧になると可能性も上がるので、血圧やコレステロールの管理が大切となり、治療に関しては内科との連携も大切になります。
アイフレイルについて
フレイルとは加齢に伴う自律機能や生活の質が低下することで健康寿命にも影響し、要介護の一歩手前の状況であり、多くの方が加齢による歯や視力の心配をしているにも関わらず、目の不調を感じても検査などの受検率は低く、かかりつけの眼科もあまりない方が多いです。アイフレイルは、チェックリストがホームページ等でも紹介されているので、ぜひ活用いただきたいと思います。
目の健康に関するお話から、簡単なセルフチェックの実演もあり、最後の質疑応答では日頃感じている視力に関する疑問に、杦本先生から受診の勧めなども交え、答えていただきました。
◆すこやか教室とは・・・ 「山形県コホート研究」の成果の還元と県民の健康増進を図る目的で2007年にスタートした山形大学医学部の出前講座です。研究に協力している自治体(山形市、酒田市、寒河江市、東根市、天童市、上山市、米沢市、高畠町、舟形町)からテーマを募り、山形大学医学部の医師、看護師、理学療法士、作業療法士、管理栄養士が講演や実技指導を行っています。
