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【プレスリリース】「鳥類の糞便を通じた鳥インフルエンザ監視により、
未確認の感染ホットスポットを発見」2025/06/02 【研究成果】


研究成果について、プレスリリースしました。

鳥糞を活用した鳥インフルエンザウイルスの監視に関する国際共同研究が2025年5月27日付けの『Nature Communications』に掲載されました。

【研究成果の概要】
 山形大学の研究者が主導する国際共同研究チームは、これまで調査が行われてこなかったグローバルサウス(アジア、アフリカ、中東、の新興国/途上国地域)で採取した鳥類の糞便から、H5N1を含む多様な鳥インフルエンザウイルス(AIVs)を発見しました。本研究は、世界的な感染症監視の空白と、将来のパンデミックリスクに対する深刻な警鐘を鳴らすものです。

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 この研究は、2021年12月から2023年2月にかけて、渡り鳥の主要な飛来ルートに沿う10か国で新鮮な鳥の糞便を採取することで実施されました。
 本研究は山形大学医学部感染症学講座のワニガマ・ダンミカ・レシャン博士が主導し、山形県立中央病院、東北大学、長崎大学、北里大学、東京財団、自治医科大学、ケルン大学、西オーストラリア大学、トロント大学、オークランド大学、ケンブリッジ大学、マヒドン大学、リンシェーピン大学、コンセプシオン大学の国際共同チームによって実施されました。

主な発見:
  • H5N1が最も多く検出されたウイルス株でした。
  • 一部のH5N1株は、抗インフルエンザ薬オセルタミビルへの感受性が低下する可能性のある変異を有していました。
  • これまで未調査であった地域で感染のホットスポットが確認され、ウイルスの進化が加速している可能性が示唆されました。

 ワニガマ博士は「この研究は、渡り鳥の飛来ルート上にあるグローバルサウス地域が、未知のウイルスリスクを抱えていることを明らかにしました。地理的に重点を絞った監視体制の構築が不可欠です。これによりウイルスの進化を早期に捉え、公衆衛生上の対策に繋げることができます。」と述べています。

 国際共同研究チームでは、特に低・中所得国(LMICs)におけるウイルス監視体制の強化と国際的な協力体制の構築を呼びかけています。

 論文情報 

【論文タイトル】
Surveillance of avian influenza through bird guano in remote regions of the global south to uncover transmission dynamics

【論文著者】
Dhammika Leshan Wannigama1, Mohan Amarasiri2, Daisuke Sano2, Kenji Shibuya3, Shuichi Abe4, Hiroshi Hamamoto1 et al.

【所属】
1Department of Infectious Diseases, Faculty of Medicine Yamagata University, 2Department of Civil and Environmental Engineering, Graduate School of Engineering, Tohoku University, Sendai, Miyagi, Japan, 3Tokyo Foundation for Policy Research, Minato-ku, Tokyo, Japan, 4Infectious Diseases and Infection Control, Yamagata Prefectural Central Hospital

【雑誌名】
Nature Communications 2025, 16, 4900 (2025)
Doi:10.1038/s41467-025-59322-z
URL: https://www.nature.com/articles/s41467-025-59322-z

論文はこちら(PDF)


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