医学科学生の論文が『Journal of Dental Sciences』に掲載されました2023/06/27 【研究成果】
医学科学生の渡邊百花さん、荒川真理子さん(両名とも4年生)が筆頭著者となっている研究論文(Factors influencing delayed referrals of oral cancer patients from family dentists to core hospitals)が、Journal of Dental Sciences IF=3.719 にアクセプトされました。
本論文は、指導教員である本学歯科口腔・形成外科学講座の石川恵生講師と共に、口腔がん患者が基幹病院に受診するまでの紹介期間が遅れてしまう因子を調査した研究内容となっています。
日本における口腔がんの多くは、かかりつけ歯科医によって発見されます。しかし、多くの口腔がん患者が進行した段階で基幹病院に紹介されていることも知られています。したがって、かかりつけ歯科医から基幹病院への紹介の遅れに寄与する要因を特定することは、かかりつけ歯科医が口腔がんを遅滞なく紹介するために重要といえます。この研究では、山形大学医学部附属病院歯科口腔外科を受診した口腔がん患者を後ろ向きに調査し、かかりつけ歯科から歯科口腔外科を受診するまでの期間と様々な臨床情報から、紹介期間が遅れる要因を明らかにすることを目的としました。
結論として、かかりつけ歯科医が口腔がんを腫瘍以外の病変と診断してしまうことは、かかりつけ歯科医から基幹病院への紹介が遅れる有意な因子となっていました。また小さい病変であること、そして歯肉がんであることも紹介を遅らせる可能性がある因子でした。本研究により、かかりつけ歯科医が口腔がんの診断能力を向上させる動機付けにつなげることができると考えます。